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桐生川ダム |
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桐生市を流れて利根川水系の渡良瀬川に流れ込む 桐生川に建設された堤高60.5mの重力式コンクリートダムで、 主に洪水調節と上水道用水の用途を持っている。 群馬県桐生市梅田町に存在し、桐生市街から10km位で到着する。 ダム周辺には貯水湖である梅田湖や、梅田ふるさとセンター等が在る。 他には釣りを楽しむ人達も、多々見られる。 昼間はそれなりの賑わいをしているが、 夜になるとそれを裏腹に、ひっそりと静まり返っている。 |
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この水と緑の溢れる場所には、悲しい物語が民話として伝わっている。 人の目に触れることもなく一つの小滝があった。 滝の形が大根おろしに似ているからとか、檀家激減で寺が成り立た なくなった大涌寺(だいこじ)住職が、 過去帳を背に滝つぼに身を投じたとか で、地元民から「だいころしの滝」と名付けられている小滝である。 天明三年(1783年)の浅間山大噴火で端を発した大飢饉は、 桐生領民からも 日々の生活の術を奪い去り、人々をどん底の窮乏生活に追いやった。 そして四年後ーーその長い苦しみの生活に耐えられなくなった領民の一部が、遂 に暴動へと走るのである。 「山地・彦間・大州・猿石・浅部の百姓たち三・四百人が徒党を組んで桐生新町 に乱入し、 穀商・菊屋、酒商・近江屋等から金品を強奪。 さらに乱暴狼藉に及ばんとしたため、町役人が出張って暴動を鎮圧し、 多数を処刑」と言う、世に言わ れる「天明七年(桐生打ち壊し騒動)」がそれである。 しかし一家の柱を処刑で失った家々の生活はなお一層苦しさを増して、 生きる望みさえもなくしてしまったのである。 ある日のこと、とっておきの晴れ着を子供たちに着せ、 なけなしの食べ物で最後の食事をとると「おっかあと一緒におとうの所へ行こう。」と涙で頬をぬらした母親が、 嫌がる子供の手をとって「だいころしの滝」に身を投げると言う事件が起きた。 そして、それを機に何組もの親子が自らの生命を断っていった。
今現在「だいころしの滝」はダムの底であるが、存在はしていたらしい。 このような悲話が残っているこの地は、 何らかの現象が起こっても不思議は無い。 たとえ大昔の話であってもこのような事件の事実を忘れない事が、 唯一の供養ではないかと思う・・・。 |
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